OJTでも使える!スクラムのタスクを使った意思疎通
スクラムは大体3人から9人での利用を推奨しています。
でも自分だけや誰かと2人で使う場合でも十分に効果が出せる内容もあります。
例えば企業のOJTで後輩を教えないといけない場合。
先輩社員としては「当たり前」の知識も、教えられる方は「未知」の知識なんです。
「知らなかったらまずは自分で勉強しろ!」というのは、どうも一昔前のマインドのようです。(そう言われました・・・)
じゃあ、どうしたら意思疎通をしながら進める事が出来るのかなぁ、と考えた末にスクラムのタスク化の手法を使ってみました。
私の意図、ちゃんと伝わってる??
誰かに作業をお願いする時に、自分の意図と違う作業を始めたり、
「その作業、無駄なんですけど!」と、もどかしく感じてしまう事ってないですか?
僕はたまにあります。
自分では細かく内容を伝えていたつもりでも、受け側には全然伝わっていない事が原因です。
では受け側と認識をしっかり共有する為にはどうすればいいでしょうか?
そりゃあ仲がよくって、終始会話が出来る環境であればベストですね。
何も深く考えなくていいです、この場合は。
でも、なかなかそういった環境下にいない場合が多いので、
ここではタスク化の手法を使います。
しなければいけないことを可視化(見える化)するのがタスク化
例えば、こんな経験がありました。
下記のようなミッションでの出来事です。
- 新規WEBサイトをBootstrapを使用して構築
- 必要となる画面デザインは確定済み
- とりあえず、デモページ(動くもの)が見たい
- 似たような項目A、B、Cを配置する
上記の内容でBootstrap未経験者の若手に、
「とりあえずデザインを確定したいので、トップページを簡単に実装して欲しい」と依頼しました。
返ってきた返事は「承知しました。」です。
さて、本当に「承知」出来たのでしょうか。
別に疑っているという訳ではなく、意思疎通の為にストーリーとタスクの洗い出しを一緒に行いました。
ストーリー
担当者として、トップページのデザインをBootstrapで作成する。何故ならば構築にかかる時間を把握したいからだ。
これに対して、若手くんの考えたタスクは下記の内容でした。
タスク
- ブートストラップ(カタカナで書く辺りよく分かっていないと読み取れる)の使い方を覚える
- デザインを考える
- 項目Aを配置する
- 項目Bを配置する
- 項目Cを配置する
うんうん、Bootstrapを使うんだから使い方を知らないといけないし、デザインも考えないといけない。項目AもBもCも配置しないといけないよね。
でも、これで作業が出来るのでしょうか?
大きなタスクしか出てきていないのは「分かっていない」証拠
今回の内容でいうと、「ブートストラップの使い方を覚える」というのは、「トップページのデザインを行う」という目的に対して適しているでしょうか?
どう考えても目的が曖昧で大きすぎると思いませんか?
「ブートストラップの使い方を覚える」ってどこから行って、どこまで覚えるのですか?という話です。
つまり、画面デザインは確定しているので、確定している部分を中心にするべき事を洗い出す必要があるのです!
訂正前
- ブートストラップの使い方を覚える
訂正後
- Bootstrap(ちゃんと英語で書かせる)をIncludeして動くようにする
- Bootstrapのデザインテンプレートを利用して、画面デザインの変更方法を理解する
どうでしょうか?するべき事が一目瞭然になったと思いませんか?
小さなサイズにまでタスクが出せないという事は、与えられた作業で理解できていない部分があると言う事ですので、一緒にタスクの細分化を行いましょう。
一緒に行わないと意味はありません。
「これじゃぁダメだから、もう一回考え直してこい!」
と言った所で相手にしてみれば、何が悪いのか分からないのです。
何が足りなかったのか、一緒に紐解きながらタスクを細分化しましょう。
見たままをそのまま挙げているのも理解できていない証拠
項目に挙がった内容をそのまま書いているだけのタスクも理解出来ていない可能性が高いです。
今回で言えば、若手くんが挙げたタスクは下記の3つがありました。
- 項目Aを配置する
- 項目Bを配置する
- 項目Cを配置する
確かに最終的にA、B、Cは配置しないといけません。
でも、このA、B、Cが似たような機能だったらどうでしょう。
先に、項目ABCで使用するBootstrapの機能を調べるというタスクが要りますよね。
深く内容を理解しないまま、タスクを書いている場合にありがちな内容です。
特に新人、若手で多い傾向があります。
物事の前後関係を見据えた上でタスクの細分化を行うという点を絡めて、教えていく必要があります。
まとめ
- タスクを洗い出す処理は一緒に行う
- タスクの内容が大きい内容だと相手は理解できていない
- タスクの内容がお題そのままの場合は相手は理解できていない
もちろん若手、新人さんも色々なタイプの人がいますので、当てはまらない方も大勢いると思います。
こういうケースもあるんですね、という事でご参考になれば幸いです。