modest violet

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開発者としてのあれこれや、日々の雑記など

your future hasn't written yet. no one's has.
by Emmett Lathrop "Doc" Brown

そうだ池井戸潤について書こう

雑記

 池井戸潤(以下、敬称略)の小説が面白すぎて、結構な時間泥棒になっている今日この頃です。池井戸潤といえば大ヒットした「半沢直樹」シリーズの原作者です。同じ小説を読み返す、というのは普段はあまりしないのですが、こと池井戸作品に関しては何回か読み返してしまいます。そして、その度にページをめくる手が止められなくなるという、気がつけば「これってファンじゃん」というレベルに達しているなという域に達していたという事です。

池井戸作品の特徴

 半沢直樹のイメージが強いですが、作者自身が銀行出身という事もあり、銀行にまつわる内容が大きいです。作品によっては製造業が舞台だったりするわけですが、融資やらなんやらで銀行は絡んできます。そこで、ドロドロっとした銀行内部の人事話とか、出世コース話とかが語られるわけです。そして、最大の特徴だと思っているのですが、作中では1人の視点で話が展開されるのではなく、登場人物それぞれの視点・立場で物語が展開していきます。それらが絶妙な感じで交錯し、繋がり驚愕のラストへと導かれます。大体半分を過ぎたあたりから読むのが止められなくなって困るわけです。就活中とかに読むと、社会に対して不信感を抱きそうな作品が多い気がしますw 。
 半沢直樹シリーズ以外にも名作が多いので、一部感想と共にご紹介します。

シャイロックの子どもたち

 

 最初は、短編小説かな?と思わせる話が続きます。舞台は銀行ですが、主人公が入れ替わり話も変わるので尚更短編っぽい感じがします。ところが、実はそれらが一つの真相につながっていく展開は読んでいて、「凄い」と思わずにはいられません。

空飛ぶタイヤ

 実際に起こった事件をベースに作成された小説。大企業である自動車会社と、人身事故により世間から批判を受ける事となった零細企業の運送会社が繰り広げる一連のやり取りに読む手を止めることは出来ません。特に社長である赤松の一本気で芯の通った人柄は読みながら「頑張れ社長!」と鼓舞せずにはいられない程に、のめり込みます。また、本作では大企業側の内部告発という社内政治の側面も強く、主人公側の視点からすれば「嫌な奴」でも、それぞれに立場があり、家族があり、夢があり、信念があるという人間である以上当たり前に持っている欲望的な物を考えさせられる話にもなっています。ジワジワと真相に近づいては、少し遠ざかる・・・。思わず目頭が熱くなる場面もある良い作品です。

七つの会議

七つの会議

七つの会議

 この作品は、最後の最後まで飽きさせない展開が秀逸でした。池井戸作品らしい主人公が入れ替わり、それぞれの視点で話が展開されていく。その内、ただの嫌な上司だと思っていた人物の視点になったり、敵側の視点になったりとジェットコースターのような展開です。それにしても、これだけ嫌な人が多い会社は避けたいですね、正直。大小問わず闇を抱えているのが企業だと思います。本当にホワイトな会社なんて創業直後の企業しか無理なんじゃないかな・・・と思わずにはいられないくらい。腐敗しています、本作の企業は。そこが最後にどうなるのか・・・。寝る時間を惜しんで読んでしまいました。